経済学史第8回終了

2011年度夜間スクーリングの経済学史第8回が終了しました。今回は『自由論』でおなじみのジョン・スチュアート・ミルでした。

あの時代は当然のことながら、今ほどいろんな文献が容易に手に入るわけではないので、手に入る範囲での研究になるのだと思います。そういった観点では、英国出身の学者が同じく英国出身の学者の理論を継承するも批判するも受け入れないといけないという事実があるわけです。というわけで、ミルもスミスからの流れを良くも悪くも受け入れているということになるのでしょう。

そういったことを考えると、基本的に経済学の理論というのは最近の人のものを押さえておけば、それ以前の理論を包含していると認識しています。よって、いろんな流れはあると思いますが、古典派経済学の流れをくむ学者の理論を追っていれば、それ以前の古典派経済学の理論はそれなりに理解できると考えています。極論を言えば、最近の研究をしっかり押さえれば、スミスなどの理論は帰納的に押さえられると考えています。

なので、時間的余裕のない通信生はすべての過去の著名な学者の著作などを丹念に調べるというよりは、最近の学者の理論を押さえれば事足りると考えているのですが、実際に細かに追っていくとなかなかに楽しいものです。時間的な余裕があれば、スミスの『国富論』なども読んでみたいですし、いろいろと夢は膨らみます。しかし、やはり悲しいかな、時間的な制限がある以上、ある程度の戦略的な進め方というのは考えないといけません。今回のミルにしても、15年ほど前に買った『自由論』をもう一回読んでみようと思いましたが、現実的に買ったまま積んである本のことなどを考えると、なかなか手が伸びませんね。

そういった悶々とした思いを抱えつつ、来週に迫ったレポートの提出に向けて勉強できる時間のすべてをつぎ込まないといけないという、現実の戦術にまずは注力したいと思います。

それでは。

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