【本の紹介】シーガル『Think Simple』

新たな試みとして、気になった本や読んだ本の紹介をしてみようと思います。趣味に偏りがありますので、あまり参考にもならないと思いますが、備忘も含めて紹介してみようと思います。

ケン・シーガル 『Think Simple』 林信行監修 高橋則明訳、NHK出版、2012年

著者はスティーブ・ジョブズと長年にわたり仕事をしてきたという広告代理店のディレクターです。単なるジョブズ像の紹介ではなく、本人もビジネス書だと言っているように、ビジネスシーンで活用できそうな話が多いです。とはいえ、やはりジョブズのエピソード紹介的な部分は多いので、そこは割り切って読む必要があるでしょう。

特に物事をシンプルにするというのが、ジョブズの真骨頂であるわけですが、それに関する話などは非常に有用なものだと思います。つきつめていけばシンプルになる、とはジョブズの言葉ですが、確かに究極までつきつめていくと無駄な機能は省かれることになりますので、これは的を射ていると思います。特にプレゼン資料などには多くの情報を入れてしまいがちですが、実はそれでは伝えたいことがぼやけてしまい、むしろ何も伝わらないという事態に陥ることは多々あります。そういった意味では、資料を軽くできないときには、まだまだ考える余地があるということでしょう。といった感じで、示唆に富む内容であります。

評価としては五つ星です(私がアップルファンだということも含めて)。

さて、最後に一文を紹介しておきます。これはある広告を展開する際に、訴訟に発展するリスクがあると弁護士に指摘されたものの、広告を出す3日前の出来事で、とりあえず著者がジョブズに報告したメールへのジョブズからの返信です。

「弁護士などクソ食らえ。」(247ページ)

それでは。

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