本の紹介『ゼロ』

この人の懲役の間、日本は何を失ったのでしょうか。

堀江貴文『ゼロ』ダイヤモンド社、2013年

説明不要のあの方です。今年の3月に仮釈放になり、上梓した本です。過去に堀江氏の本を読んだことがないのですが、本人によると、過去のものとはちょっと感じの違う本だそうです。今まで出自のことにはあまり触れてこなかったのですが、本書では生い立ちから起業までの経緯をそれなりのページを割いて書いています。

書いてあることが本当であれば、世間一般の、まぁそれは私の持っていたイメージと被ると思いますが、豪快なひねくれ者とは程遠い人物であります。その辺が意外だったというか、なかなか新鮮な感じがしました。

この刑期中にいろんなことを考えたようで、加えて社会から隔離されることで自分自身を見つめ直すこともできたとのことです。普通の生活をしていれば収監ということもないのでしょうが、それをきっかけにいろいろと考え抜くことができたのは怪我の功名といいますか、貴重な体験だったでしょう。何事についてもいろいろと考え抜かないことには、薄っぺらい結果しかついてこないと最近感じていますので、懲役とまでは言いませんが、強制的にそういう時間を作るのも必要かもしれません。

なお、今日11月10日から自由の身なんだそうです。仮釈放されてはいますが、実際の刑期は11月9日までなので、普通の生活に戻れるのは今日からなんだそうです。これで今までどおり暴れてくれるのかと思いきや、会社法の規定で取締役になれるのは刑期満了から2年後らしく、本格的にいろいろとやるにはまだ時間が必要とのことです。確かにいまの肩書きがファウンダーですから、やけに洒落てるなと思いましたが、取締役になれないゆえのネーミングだったのですね。

堀江氏の意外な一面は垣間見ることができましたが、内容自体はいたって普通なので、星3つです。

評価:★★★☆☆

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