本の紹介『キレるソフトバンク』

新年の読了一冊目です。

榊原 康 『キレるソフトバンク』 日経BP社、2013年

孫さん、ソフトバンク、そしてドコモ、KDDIとの競争や米国スプリント社の買収を追ったドキュメンタリーです。ソフトバンクのスピード感がよく書かれていると思います。

ソフトバンクといえば、ヤフーBBのモデム無料配布やら矢継ぎ早の買収やらで無闇矢鱈に仕掛けているように見えますが、その裏では緻密な計算が行われていて、割に合わない買収には手を出さないという手堅さもあるようです。

一方で即断即決で物事を進めるなど、孫さんのせっかち(?)な性格がまるまる現れていたりと、イケイケと慎重が混ざり合った企業のようです。

即断即決と言えば、最近は大人しくなりましたが孫さんのツイッターでの「やりましょう」でしょう。企業のトップがツイッター上での要望を聞き入れ、その場で決断してしまうというのも普通ではあり得ません。しかし、これをやってしまうのがソフトバンクの強みのひとつなのでしょう。もっとも現場はたまったもんじゃないと思いますが。

また、幹部のこんなコメントも紹介されています。

「後で考えようという文化はない。直ちに決定し、今からすぐにやれとなる」(20ページ)

いいですね。このスピード感。今年はこれを推進したいと思います。

もちろん、本書に書かれている光の部分だけではなく、陰の部分も存在するとは思います。実際に私の親戚にソフトバンクグループで働いている人もいて、そんな話も聞いてないわけではありません。といった意味では、少し割り引いて考える必要があるのは言うまでもありませんが、とにかく夢の大きさは見習うべき部分がありますので、この先が見えてこないという悩みがある人には一助になるかもしれません。

なお、ソフトバンクといえば孫正義ですので、後継者問題についても若干触れられております。カリスマ社長の後は大変ですが、どうなるでしょうか?そちらも注目です。

スピード感に圧倒されたという点で、少し甘めの評価です。

評価:★★★★☆

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