本の紹介『ワーク・ルールズ!』

Googleの人材活用は進んでますな。

ラズロ・ボック 『ワーク・ルールズ ー君の生き方とリーダーシップを変える』[Kindle版] 鬼澤忍、矢羽野薫訳、 東洋経済新報社、 2015年

昨年のAmazonのビジネス関連の年間ランキング3位(だったかな?)の本です。アメリカの先進企業というと、成績悪かったらクビ、みたいな印象がありますが、Googleはちょっと違うようですね。基本的には快適に長く働いてもらいたいという方針でやってるみたいです。食事は無料、キャンパス(会社の敷地)内にはクリーニング、ネイルサロンなどの福利厚生が整っています。面白いのはクリーニングなどは社員が会社に提案し、自分たちで業者を連れてきて運用しているところです。そういう提案を認めてくれる社風でもあるようです。

Google関連の本と言えば、エリック・シュミット著『How Google Works』を以前紹介しましたが、全体の話であればシュミットさんの本の方が詳しいです。今回の著者は人事のプロなので、どちらかというとそちら目線の内容です。

人事というとなかなかつかみ所のない印象がありますが、Googleが大きくなる過程でいろいろと変更を加えてきたことが分かります。いい人材をいかに効率よく獲得し、育成し、周りの手本となってもらうかに苦心しているようです。

また、けっこう感心したのは、あるプロジェクトが失敗し多額の損失が出たとしても、その中で今後のプロジェクトで使える技術やスキームが新たに生み出されたと認定されたらボーナスが出るというところです。失敗を恐れるなということですね。不安を最初に取り除くというものです。

不安でいえば、社員が亡くなったとき、子どもが20歳になるまで補助金を出すといったものもあるらしく、いろんな不安を取り除いて、いい労働環境を作っているみたいです。実際にどこまで本当かは知りませんが、こういった施策をうちの会社も取り入れてもらいたいものです。

私は人事担当ではないですが、そういう人でも楽しく読めるんではないでしょうか。星4つです。

評価:★★★★☆

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