本の紹介『孫正義 300年王国への野望』
やはり、この人は熱かった! 杉本貴史 『孫正義 300年王国への野望』[Kindle版] 日本経済新聞出版社、2017年 筆者は日経新聞の記者です。孫さん関連の書籍は山ほどありますが、今まで紹介されてきたような出身に関するエピソードなどは極力なくし、ビジネス面を中心に書かれた本です。 もちろん孫さんを中心に書かれてはいますが、その時々の関係者が多く登場します。ソフトバンク立ち上げ直後から現在に至るまで、周囲をいかに巻き込み、そして周囲から愛され、さらに憎まれたかがリアルに書かれており、かなりワクワクドキドキ感の強い内容となっています。 今まで知らなかったアスキーとの関係、上新電機との取引とハドソンとの連携など、やはりこの人の仕事に関する情熱はハンパないなと再度感じました。言ってしまえばメチャクチャなやり方だなと思うエピソードも多く、よく失敗しなかったなというのもあります。例えば、ヤフーBBでのパラソル部隊展開、要は街頭でモデムを無料で配るというあれですが、そっち方面の方に脅されたり、大量に人を集めたものの、バックヤードの準備、人員が足りずほぼ寝ないで会社に泊まり込みで対応したとか、ベンチャー企業かよと思うような状況です。でもよく考えたら、ヤフーでの成功はありましたが、当時のソフトバンクはベンチャー企業に分類されていたと思います。とにかく挑戦の日々が綴られています。 正直、このアクの強さ、牽引力のすさまじさには憧れます。だからこそ、孫さんに関する本はよく買ってしまうんだと思います。一方、誰しもが真似できないだろうなというのも感じさせられ、自分の実力のなさにちょっと悲しくなりました。 ビジネスで熱い何かを失いかけているアナタ、必読です。 評価:★★★★☆