本の紹介『ハングリーな組織だけが成功を生む』

いつも強面。

沢木敬介 『ハングリーな組織だけが成功を生む』 ぴあ、2017年

日本のラグビーの最高峰、ジャパンラグビートップリーグのサントリーサンゴリアスの監督である沢木敬介氏の著書です。他の書籍やテレビのインタビューなどから分かるのは、いつも強面ということです。意図的にやっている部分があるにしても、選手としては怖い存在のようです。

沢木氏はサントリーでプレーし、その後コーチに就任し、さらには日本代表のスタッフとして2015年のワールドカップに出ています。そんな彼の指導者としての考えをまとめた本です。

彼はサントリー、日本代表で指揮を執ったエディー・ジョーンズ氏(現イングランド代表監督)と長く一緒にやっているので、エディーさんの影響を受けていることを認めいています。エディーさんの著書にもあるように、彼の指導の特徴はダメなものに対して、どこかが足りないかを明確にすることにあると思います。例えば2015年のワールドカップにおいては、それまであふれる才能を持ちながら日本代表に呼ばれていなかった山田章仁に対して「もっとトライを取り切る力を身につけないと代表には呼ばない」と言ったり、五郎丸歩にも「キックの成功率を85%以上にすること」を指示していました。つまり、提示した基準をクリアすれば代表に招集されるというわけです。

海外では当たり前なのかもしれませんが、これは沢木氏も採用していることで、これはそのまま日常の会社生活でも応用可能かと思います。スタンダードがぶれてしまうと部下はやりづらいですよね。基準さえしっかりしていれば、どんな状況でも対応できるというわけです。ちなみにエディーさんはビジネス書もよく読んでいるらしく、そこからヒントを得たのであれば、なおのこと、ビジネスでも応用できる内容であると思います。

ひとつ残念なのは、シーズン途中に書かれているためか、あまり細かいところまで突っ込んでいないところですね。次回作があるのであれば、ぜひ細かいところまで書いてもらいたいですね。


評価:★★★★☆

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