本の紹介『ザ・会社改造--340人からグローバル1万人企業へ』

会社改造はダイナミックにやらないといけません。

三枝匡 『ザ・会社改造--340人からグローバル1万人企業へ』 日本経済新聞出版社、2016年

筆者は株式会社ミスミグループ本社取締役会議長の三枝匡氏です。彼がミスミの社長時代から実践した実話をまとめた本です。実際の経営に基づく事実であるため、かなり迫力のある話です。経営戦略系の本は最近読んでなかった記憶がありますが、久々に熱くなりました。

謳い文句としては「340人の商社からグローバル1万人の国際企業へ」というもので、会社改造のための心得、実践方法が紹介されています。変革はチマチマ病ではダメ、これと思ったら投資が必要、そうでないと失敗する、とは激しく首肯しました。え?なぜかですって?それはお聞きなさるな。

会社の文化は、中にいると当然のことながら、それが正しいと思いがちです。もちろん、それが合理的という部分も大きいとは思いますが、本書の事例にあるように、必ずしも将来の成長に向けて必要かというと、そうではありません。ただ、内部にいる人間ではそれに気付きにくいという面があるのも確かで、筆者が苦労して会社を変えていった過程は読み物としても面白かったです。

筆者はトヨタ生産方式を基礎にして独自の方法を構築したのですが、一時期、トヨタ生産方式の研究をしていた身としては、非常に話に入りやすかったです。そのほか、人材育成の方法、社外に目を向けるといったことは非常に参考になりました。

余談ですが、以前転職活動をしているときにミスミを受けました。結果、ミスミにいないということは落ちたということなのですが、もしそこで転職していたら楽しかったんだろうなと思いました。もちろん、厳しさもそれ以上にあると思いますが、本書を読む限りはいい環境なのだと感じました。

評価は入魂の5つ星といたします。

評価:★★★★★

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