本の紹介『ホーキング、宇宙を語る』

天才による、素人向けの本です。

スティーブン・W・ホーキング 『ホーキング、宇宙を語る―ビッグバンからブラックホールまで』[文庫版] 林一訳、早川書房、1995年

今年亡くなった物理学の天才ホーキング博士の書です。できるだけ一般人にも分かるように、数式は1つを除いて使わないと前書きで予告されていたとおり、E=MC²以外は使われておりません。詳しい人にしてみれば物足りないのでしょうけど、かなりの頻度で立ち止まりながらの読了です。

宇宙についてはまだまだ分かっていないことだらけです。宇宙の始まりはなんなのかとか、宇宙空間は無なのかとか全くと言っていいほど解明されていないというのが現状です。そもそも同じ太陽系ですら、人類は月以外に行ったことがありません。太陽系の第4惑星の火星まで8ヶ月かかりますし、太陽系から最も近い恒星であるプロキシマ・ケンタウリまで4光年、目視可能なアンドロメダ銀河では250万光年という想像もつかない距離です。それに挑もうというのだから、相当なものです。

この本が出てから30年が経過していますので、その間の物理学の進化を考えるともっといろんなことが分かっているのかもしれません。ただ、一般のファンは難しいことは分からないので、理解可能な情報の範囲で楽しむしかありません。本書はなんとかその範囲内にあると言うことできるでしょう。

この本を読み終えた後、新たに宇宙関係の本を読み始めており、そちらがかなりエキサイティングかつ分かりやすい本なので、いま読めば膝を打つような場面がいくつもあるかもしれません。時間に余裕があれば、読み返してみようかと思います。

評価:★★★★☆

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