『海と毒薬』

遠藤周作の『海と毒薬』を読みました。これは中学か高校の時に読んだことがあるのですが、再度気になって読んでみました。記憶と違って、内容はそれなりに重いものでした。この物語は戦中戦後の時代の医学部のことを描いたもので、そこで実際に行われたとされる米軍捕虜の生体実験を題材にしています。結構いろんなことが生々しかったりして、休み休み読んでいたので時間がかかりました。

詳しい話はさておき、解説文にこんな記述があります。

「みんなが死んでいく世の中」、「病院で息を引き取らぬ者は、夜ごとの空襲で死んでいく」ような状況下でも、相も変わらぬ教授間の勢力争いは一向に止まない。

なるほど。世の中が大変なときでも、やってることは一緒ということですね。人間の醜い業なのか本質なのかわかりませんが、いずれにしても今は物事を前に進めてもらいたいものです。

それでは。

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