本の紹介『いびつな絆 関東連合の真実』
すごい世界もあるもんですな。
工藤明男『いびつな絆 関東連合の真実』(文庫版)宝島社、2014年
すでに昨年出版されていた本で、いつも気になってはいました。そんなところ、この前、丸の内の丸善に行ったときにその後の経過などを加筆して文庫版になっていたので、買ってしまいました。著者は元リーダーで、上記の名前はペンネームです。関東連合に関する事件や内部事情の暴露本です。
関東連合というのは、東京の杉並と世田谷の暴走族の連合体がもとの姿です。だいたい20歳前には引退するのが普通の暴走族らしいのですが、関東連合はOBになってもその勢力を拡大しながら存続してきたようです。渋谷や六本木でも名の知られた存在だったようで、一般的にも六本木の誤認殺人事件や市川海老蔵襲撃事件でも知っている人は多いでしょう。
この本を読むまでは知らなかったのですが、彼らは「半グレ」と呼ばれているようで、暴力団にも属さずに独自のルールで行動しています。著者によると、暴力団なら個人的に対立関係にあっても、親分同士仲良しとかなら手出しできないらしいのですが、関東連合は基本的にはそういうことはないみたいです。それがゆえに、いろんな事件を起こしているとも言えます。
この本の主要テーマでもある、前述の誤認殺人事件である「六本木フラワー事件」でも関係ない人を惨殺したうえに、リーダーは海外逃亡してまだ逮捕されていません。それどころか、海外からいまだにいろんな指示を出しているようで、それがいびつな絆だと著書は述べています。本人は日本には戻ってこないはずなのに従ってしまうあたり、スターリンの恐怖政治に似た部分がありますね。
文庫版の加筆部分は、その後の逮捕者の裁判の様子や著者が証人として出廷したときの様子などが書かれています。海外からの指示により、大挙して押し寄せて裁判を妨害するなどの行為も書かれていて、裁判所の人も「暴力団の裁判でもこんなにひどいの見たことない」というくらいのひどさのようですね。
ヤクザだとかこういう集団の実態は一般人にはなかなかわからない部分があるので、こういった内部暴露本は個人的には好きなジャンルです。なかなか手応えのある一冊です。
評価:★★★★☆
工藤明男『いびつな絆 関東連合の真実』(文庫版)宝島社、2014年
すでに昨年出版されていた本で、いつも気になってはいました。そんなところ、この前、丸の内の丸善に行ったときにその後の経過などを加筆して文庫版になっていたので、買ってしまいました。著者は元リーダーで、上記の名前はペンネームです。関東連合に関する事件や内部事情の暴露本です。
関東連合というのは、東京の杉並と世田谷の暴走族の連合体がもとの姿です。だいたい20歳前には引退するのが普通の暴走族らしいのですが、関東連合はOBになってもその勢力を拡大しながら存続してきたようです。渋谷や六本木でも名の知られた存在だったようで、一般的にも六本木の誤認殺人事件や市川海老蔵襲撃事件でも知っている人は多いでしょう。
この本を読むまでは知らなかったのですが、彼らは「半グレ」と呼ばれているようで、暴力団にも属さずに独自のルールで行動しています。著者によると、暴力団なら個人的に対立関係にあっても、親分同士仲良しとかなら手出しできないらしいのですが、関東連合は基本的にはそういうことはないみたいです。それがゆえに、いろんな事件を起こしているとも言えます。
この本の主要テーマでもある、前述の誤認殺人事件である「六本木フラワー事件」でも関係ない人を惨殺したうえに、リーダーは海外逃亡してまだ逮捕されていません。それどころか、海外からいまだにいろんな指示を出しているようで、それがいびつな絆だと著書は述べています。本人は日本には戻ってこないはずなのに従ってしまうあたり、スターリンの恐怖政治に似た部分がありますね。
文庫版の加筆部分は、その後の逮捕者の裁判の様子や著者が証人として出廷したときの様子などが書かれています。海外からの指示により、大挙して押し寄せて裁判を妨害するなどの行為も書かれていて、裁判所の人も「暴力団の裁判でもこんなにひどいの見たことない」というくらいのひどさのようですね。
ヤクザだとかこういう集団の実態は一般人にはなかなかわからない部分があるので、こういった内部暴露本は個人的には好きなジャンルです。なかなか手応えのある一冊です。
評価:★★★★☆
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