本の紹介『「営業部」が消えた日』

今回も仕事がらみの本です。

伊原和之『「営業部」が消えた日』ダイヤモンド社、2011年

伊原氏は、営業活動を支援するサービスの提供を中心とする株式会社セールスマーケティングの代表取締役社長です。私自身がいま取引をしようとしている企業です。そのため読んでみた次第です。

営業活動はどうしても既存顧客優先になってしまうと思います。実際に新規顧客の獲得のコストよりも、既存顧客維持のコストの方が断然安いと言われています。その活動に時間を割かれている営業担当が新規の顧客を次々と獲得するのは、現実的には難しい問題であると言えます。そこを代行して新規顧客を集める、あるいはそのノウハウを提供しているのがセールスマーケティング社です。細かい実情はさておき、我が社も似たような状況にあると考えていて、取引を始めようとしています。

内容的にはさほど濃いものではありません。事例紹介が中心で、言ってしまえば販促用資料です。ただ、こういう業態があって、それなりの成功事例があるということを世に広める意義はあると考えます。

今時の流行では、少ないコストでいかに多くのリターンを得るかということが重視されています。我が社もご多分に漏れず、そういった動きです。しかし、それではどうしても対応できない部分が出てきます。すなわち、季節的要因に対応できないのです。繁忙期にあわせて人員計画を立てると、閑散期には間違いなく人が余ります。その逆もまた然りです。そのあたりのギャップを外部委託で解決するというのは、いい選択だと思います。しかし、企業や組織の文化でそれに踏み切れないケースも多々あるでしょう。そこを解決してくれるのがこの本に紹介されている事例です。

やはり、自分たちが先陣を切ることのリスクから躊躇してしまうケースもあると思います。しかし、誰かがすでに成功しているという話があれば、一歩を踏み出すのはそう難しいことではなくなる可能性があります。そしてこういったサービスが盛り上がっていけば、雇用が増える、経済が上向くという効果も期待できるでしょう。また、雇用の受け皿が増えれば、雇用の流動化も促進されるはずです。そうすれば転職するにもできなかった人たちが動いて、さらに経済が活性化するでしょう。

何が言いたいかというと、つまり、私自身が転職市場の活性化を欲しているというわけですw

それはさておき、営業活動でお悩みの方は読んでも悪くないと思います。

評価:★★★☆☆

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