夏期スクーリングテスト提出完了、そして総括(2021年第2期)

講義は昨日で終了していますが、今朝、テストの提出も完了しました。これで全日程を完了。あとは成績が出るのを待つだけです。最後のこの6日間を総括してみたいと思います。

まず、これが最後のスクーリングとなりますが、コロナ禍においてオンライン授業となったのは残念です。先日も書きましたが、スクーリングの醍醐味はリアル授業を受けることができるという点で、その意味ではこの部分はごっそりと抜けてしまっています。新たな知識の導入という部分では従前と同様と言えますが、やはりリアル授業でなかったのは大きかったです。しかし、日吉での夏スク、三田での夜間スクーリング、そして今回の自宅でのオンライン授業といろいろ経験できたのはよかったということにしておきます。

さて、オンライン授業にもリアルタイム配信とオンデマンド配信があり、今回は2科目ともにオンデマンド配信でした。仕事の方でもオンラインでのイベントは今や普通となりつつありますが、リアルタイム配信となるといろいろと問題があるというのは承知しています。オンラインイベントでもあとから録画をオンデマンドで見られるようにしていたりするなどの工夫がありますが、配信する側、見る側ともにリスクがあるという意味では、オンデマンド配信はひとつの解なのかなと思いました。どの講義を選択するかをシラバスで検討していたとき、オンラインでインタラクティブに授業に参加して欲しいという科目もありましたが、本来的にはリアルタイム配信でそういう活用方法があるべき姿なのかもしれません。まぁ、私は人見知りタイプなので、そういう科目はパスしますが・・・(実際に選択時に外しました)

さて、各科目の感想です。

■マルクス経済学特殊
マルクス経済となるとなかなか手が出しにくいイメージがありますが、経済学への影響という点では無視できないと思います。実際に、『資本論』は岩波文庫版で3分の2程度読んでいますし、他の岩波文庫から出ている『共産党宣言』、『経済学批判』などは一応読んでいますので、その意識は前からありました。というわけで、スクーリングの締めくくりの1科目として選択しました。とは言え、その思想には同意できない部分もありますが、相手の立場から考えることも重要です。

講義内容ですが、これは正直、自分の勉強不足を思い知らされる結果となりました。どういうことかというと、自分のイメージではガチガチに理論武装されて妥協を許さないのがマルクス経済学というのがあったのですが、全くそんなことはなく、今回の担当であった大西教授に限って言えば、芯はあるが柔軟な思考をお持ちなんだなと感じました。教科書が先生の著書だったのですが、現実的にはいまは無理だが、といったような記述もチラホラあったりして、ここは意外でした。とは言え、将来的には・・・という点では信念はお持ちのようです。が、それはそれということで、勉強になりました。

さらに言えば、新古典派の成長モデルを参照したり、ピケティ教授の『21世紀の資本』を覗いてみたりと、マルクス経済学の教科書以外の本(ピケティ教授はほぼマルクス経済学ですが)を参照することになるのは想定外で、これはマルクス経済学に限らず、他の分野でも視野を広げて考えないといけないという示唆になりましたね。そこでも多くの収穫があったと思います。
(テストにおいての収穫があるかが心配ですが・・・)

なお、講義期間中に参考にしようと本棚を見ていたら、実は本の著者別の所有数で言うとマルクスが一番多いことに気づきました。『資本論』が全9巻中の6巻所有しているというのもありますが、著作数では社会学のウェーバー、ルーマンのほうが多いものの、冊数ではマルクスが最多でした。3巻残っている『資本論』は卒業が決まったあとにでも挑戦してみようと思います。

■会社法

こちらは日々の仕事にも活用できるという目論見で選択しました。実は以前にテキスト学習でやっていて、試験は通っていたのですが、レポートで心が折れて挫折したという経緯があります。つまり、レポートの書き方に関する法学部のお作法がイマイチ分からず、初回提出時にいろいろ指摘されたのですが、それに対応して書いたつもりが、2回目は初回と採点者の方が別だったようで全く逆の指摘となっており、やる気なくしたというものでした。いま考えれば、テストは合格していたので頑張ってレポートも完成させておけば、すでに卒業所要単位は満たしていたということになり、もったいないことをしたなと思います。

そのリベンジではありませんが、今回はきっちりとやったつもりです。内容については6日間12回の講義では一部しかカバーできないとの先生のお話で、領域は限定ながらも、勉強量はそれなりにあったなという印象です。授業後に1時間くらいの復習時間を取りましたが、それでやっと追いついたという状況でした。自宅での受講のため、日吉なら片道40分くらい、三田なら同1時間くらいの移動時間がないため、それをそのまま復習に当てるという点では効率的ではありましたが。

法律の授業ですので判例を参照しながらという流れでしたが、これが意外に楽しかったです。先に書いたテキスト学習時には判例を探すという部分でかなり骨が折れた印象があり、何度も図書館で判例を調べたことを思い出しました。しかし、今回、判決文は裁判所のサイトで容易に入手可能ということが分かり、それ早く言ってよ〜という感じでした。もちろん、判例の解説などは専門の雑誌や書籍を調べないといけないので、そういった意味では図書館通いはありますが、これを先に知っていればなという感想です。

先生は若い方でした。オンデマンド配信なのでスライドと音声しかなく想像の範疇だったのですが、いま先生が所属している大学の教員紹介のページに写真があり、それが近影であれば若いです。もっとも、山一証券が廃業したときにはまだ子どもだったと言っていたので、まぁ若いですねw オッサンになると、そんなところで先輩風吹かせたくなりますが、あくまでも教えてもらっている立場ですので、そこは気をつけないといけません。

スクーリングは慶應を卒業していまは他大学に修行に出ている先生達の登竜門的な位置づけもあると思います。狭き門ではありますが、将来、慶應義塾に戻ってこれるといいですね。


■やはりスクーリングは楽しい

というわけで、長々と総括してみましたが、ひとことで言えば、

 スクーリングは楽しい!

これに尽きますね。来春に卒業予定、そしてこれでスクーリングで取れる単位の上限に来るはずなので、いずれにしても私のスクーリングはこれで最後。通信生の皆様には、引き続き存分に楽しんでもらいたいですね。

それでは。

コメント

このブログの人気の投稿

通信三田会からの誘い

2021年度慶應義塾大学卒業式。そして卒業について思うことと心境の変化

卒業式エピソードの続き